宅配便を時間指定したのに、指定した時間内に荷物が届かなかった。
そんな経験はありませんか?
「時間指定したのに、どうして来ないの?」 「ドライバーは何をしているんだろう?」
このように疑問に思う人もいると思います。
もちろん、時間指定に間に合わせることは宅配ドライバーの大切な仕事です。
しかし、宅配ドライバーとして10年以上働いてきた私からすると、時間指定に間に合わなくなる理由は一つではありません。
荷物が多すぎる日もあれば、交通事情で足止めを食らうこともあります。そもそも、配達する荷物が支店に到着していない場合もあります。
今回は、宅配ドライバーが時間指定に間に合わなくなる理由と、その裏側を実体験を交えて解説します。
1. 荷物が多すぎる!キャパオーバー
時間指定に間に合わなくなる大きな理由の一つが、配達する荷物の量が多すぎることです。
例えば、午前中の時間指定は一般的に8時から12時までです。
私の配達エリアでは、午前中に70個前後を配達するのが限界だとします。
ところが、支店から持ち出す荷物が120個前後になってしまったらどうでしょうか?
単純に考えても、通常の配達ペースでは時間内にすべてを配り切るのは困難です。
閑散期でも突然大量の荷物が届くことがある
荷物が多くなるのは、年末などの繁忙期だけではありません。
普段は比較的荷物が少ない閑散期でも、突然大量の荷物が到着することがあります。
荷物の量は、毎日きれいに一定になるわけではありません。
昨日は余裕があったのに、今日は急に荷物が増えてしまう。そんな日もあります。
ベテランでも時間指定に遅れることがある
経験を積んだベテランドライバーは、配達の順番や荷物の積み方を工夫して、効率よく配達します。
しかし、どれだけ経験があっても、時間には限界があります。
午前中に配達できる限界が70個前後なのに、120個も持ち出している場合、すべてを時間内に配るのは簡単ではありません。
最後のエリアに残った1〜2個の時間指定に間に合わず、時間をオーバーしてしまうこともあります。
これは、単純にドライバーの仕事が遅いという話ではありません。
配達できる限界を超える荷物を抱えてしまえば、ベテランでもどうにもならない日があるのです。
2. そもそも荷物が支店に到着していない
時間指定に間に合わない理由は、配達ドライバー側だけにあるわけではありません。
配達する荷物そのものが、支店に到着していないこともあります。
例えば、次のようなケースです。
- 発送元から荷物が発送されるのが遅れた
- 荷物が誤って別の支店に送られた
- 高速道路で事故や渋滞が発生した
- 輸送中に遅延が発生した
- 仕分け作業中に荷物が破損した
荷物が支店に到着しなければ、ドライバーは配達することができません。
また、支店に到着するのが遅れれば、仕分けや積み込みにも影響します。
その結果、出発が遅れたり、指定時間までに配達できなくなったりすることがあります。
お客様からすれば、荷物が届かなければ同じことです。
しかし、時間指定に間に合わなかった原因が、配達ドライバーよりも前の輸送や仕分けの段階にある場合もあるのです。
3. ドライバーが事故やケガをした
頻繁に起きることではありませんが、配達ドライバーが事故に遭ったり、仕事中にケガをしたりすることもあります。
交通事故に遭えば、その場で対応しなければなりません。
荷物を持って転倒したり、配達中にケガをしたりすれば、普段どおりに仕事を続けられなくなる場合もあります。
一人のドライバーが担当エリアを回っている場合、その人が動けなくなると、配達全体に影響が出ることがあります。
もちろん、安全を無視してまで時間指定に間に合わせるべきではありません。
事故やケガなどの予測できない出来事によって、時間指定に遅れてしまうケースもあるのです。
4. 新人ドライバーで時間配分がうまくできない
新人ドライバーの場合、経験不足によって時間指定に間に合わなくなることもあります。
宅配の仕事は、荷物を届けるだけではありません。
効率よく配達するには、さまざまな判断が必要です。
- どの順番で配達すれば効率がよいか
- どの荷物を先に届けるべきか
- どのくらいの時間でエリアを回れるか
- 不在だった場合、どのように再配達へ対応するか
- 道路や住宅の状況を考慮して、どう動くか
こうした判断は、経験を積むことで少しずつ身についていきます。
新人のうちは、一件一件の配達に時間がかかり、予定よりも遅れてしまうことがあります。
ただし、新人だからといって必ず遅れるわけではありません。
問題なのは、経験が十分でないドライバーが、最初から処理しきれないほどの荷物を抱えてしまうような状況です。
荷物の量が適切であれば間に合う仕事でも、キャパオーバーが重なることで、時間指定に間に合わなくなることがあります。
5. 交通事情で予想外の足止めを食らう
宅配ドライバーは、毎日同じ道路を走っていても、必ず予定どおりに進めるとは限りません。
配達中には、予測できない足止めが発生することがあります。
事故渋滞や工事による迂回
事故渋滞に巻き込まれれば、予定していた時間に次の配達先へ到着できなくなることがあります。
道路工事で片側通行になったり、通行止めによって迂回させられたりする場合もあります。
特に年末の繁忙期は、工事などによる交通規制が配達の予定に影響することもあります。
ゴミ収集車や送迎車が道をふさいでいる
私が配達中に何度も経験しているのが、狭い道路で車が道をふさいでいるケースです。
例えば、ゴミ収集車が作業をしていたり、病院や老人ホームの送迎車が乗り降りの対応をしていたりすると、通り抜けられないことがあります。
狭い道路では、無理に通り抜けることもできません。
相手の作業が終わるまで待つしかない場合もあります。
こうした足止めは、一回一回は数分程度でも、何度も重なると大きな時間のロスになります。
配達ドライバーは、荷物を届けることだけを考えて走っているわけではありません。
道路状況に合わせて安全に進まなければならず、思いどおりに動けないこともあるのです。
6. 不在や再配達が多い日
時間指定に間に合わなくなる理由として、意外と大きいのが不在の多さです。
宅配ドライバーの仕事は、荷物を渡せば終わりというわけではありません。
お客様が不在だった場合には、不在票を書き、不在シールを貼り、荷物を持ち帰るなどの作業が発生します。
私の経験では、通常の配達が平均3分程度なのに対し、不在の場合は4〜5分ほどかかることがあります。
つまり、不在になると、通常の配達より1件あたり1〜2分ほど余計に時間がかかる計算です。
午前中に不在が20件あった場合
仮に、通常の配達が3分、不在対応が5分かかるとします。
不在が20件あれば、余計にかかる時間は次のとおりです。
2分 × 20件 = 40分
午前中だけで、約40分もの時間を失う計算になります。
午前中に70個を配達するのが限界のエリアで、20件の不在が発生したらどうなるでしょうか?
本来なら12時までに配り終えられるはずだった荷物も、時間が足りなくなってしまいます。
単純計算では、配達の限界を70個とした場合、40分のロスによって、約10件分の配達時間が失われることになります。
もちろん、実際の遅延件数は、荷物の種類や配達順序、不在の場所などによって変わります。
それでも、不在が多い日には、時間指定に間に合わなくなる可能性が高まることが分かると思います。
不在が多いエリアでは毎日のように起きる
不在の多さは、地域によっても違います。
一度の配達で在宅しているお客様が多いエリアもあれば、不在が頻繁に発生するエリアもあります。
不在が多いエリアでは、毎日のように時間との戦いになります。
さらに、午前中の持ち出しが70個程度ならまだしも、120個前後もある日には、不在対応による時間のロスを吸収するのは非常に困難です。
午前中に遅れが発生すると、昼や夜の時間指定にも影響することがあります。
後の時間帯に荷物を回せる余裕がなければ、遅れを取り戻すのも簡単ではありません。
7. キャパオーバーが常態化している
ここまで紹介した理由は、一つだけで発生するとは限りません。
例えば、次のような状況が重なったらどうでしょうか?
- 午前中の荷物が120個ある
- 不在が20件発生する
- 途中でゴミ収集車に足止めされる
- 道路工事で迂回させられる
- さらに、再配達や追加の対応が発生する
これだけのことが重なれば、予定どおりに配達するのは非常に難しくなります。
そして、こうしたキャパオーバーが一時的なものではなく、日常的に続いているドライバーもいます。
毎日、時間に追われながら配達し、少しのトラブルで予定が崩れてしまう。
そのような状況では、ベテランであっても、すべての時間指定を守ることが難しくなります。
もちろん、時間指定を守るための工夫や努力は必要です。
しかし、現場の処理能力を超える荷物を抱えたままでは、個人の努力だけで解決できない問題もあります。
まとめ:時間指定に遅れる理由は一つではない
宅配ドライバーが時間指定に間に合わなくなる理由には、さまざまなものがあります。
- 荷物が多すぎるキャパオーバー
- 荷物の到着や輸送の遅れ
- ドライバーの事故やケガ
- 新人ドライバーの経験不足
- 事故渋滞や道路工事などの交通事情
- 不在や再配達による時間のロス
- キャパオーバーが常態化している現場の問題
時間指定は、お客様にとって大切な約束です。宅配ドライバーとしても、できる限り守らなければなりません。
一方で、配達の現場では、ドライバー自身ではどうにもできない事情が重なることもあります。
荷物が多すぎる日や、予測できないトラブルが続いた日には、ベテランでも時間指定に間に合わないことがあります。
時間指定に遅れたからといって、必ずしもドライバーがサボっているとは限りません。
その裏側には、荷物の量や交通事情、不在対応など、さまざまな事情があることを知ってもらえたらと思います。


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