宅配ドライバーをやっていると、同じような荷物量を担当しているのに、配達が早い人と遅い人がいることに気づきます。
もちろん、担当エリアや荷物量、道路状況などによっても配達時間は変わります。
しかし、同じような条件でも、ベテランドライバーの中には驚くほど早く配達を終わらせる人がいます。
では、配達が早い人と遅い人では、一体何が違うのでしょうか?
私は宅配ドライバーを10年以上続けてきましたが、
その経験から感じたのは、「一つ一つの作業にかかる数秒の差が、最終的に大きな差になる」ということです。
今回は、私が実際の宅配業務で感じた「配達が早い人と遅い人の違い」を紹介します。
① 荷物の積み方が違う
まず大きな違いが出るのが、出発前の荷物の積み方です。
一見すると、荷物をきれいに積むことは良いことのように思えます。
しかし、宅配では必ずしもそうとは限りません。
配達が早い人
配達が早い人は、荷物を積むときに必要以上に丁寧に整理しすぎません。
もちろん、荷物が崩れたり、破損したりしないようにする必要はあります。
しかし、「全部を完璧に整理してから出発しよう」とは考えません。
ある程度、自分が分かる状態になっていれば出発します。
配達が遅い人
一方、配達が遅い人は、荷物を非常に丁寧に整理する傾向があります。
荷物をきれいに並べ、「ここはこの順番、ここはこの種類……」と、出発前に時間をかけて完璧に整理しようとします。
もちろん丁寧なこと自体は悪いことではありません。
しかし、出発時間が遅くなってしまえば、その後の配達にも影響します。
宅配では、出発前の10分の差が、そのまま配達終了時間の差になることがあります。
② 地図を見るタイミングが違う
次に大きいのが、地図の使い方です。
配達が早い人
配達が早い人は、出発前や停車中に地図を確認して、ある程度のルートを頭の中に入れています。
もちろん、分からない場所ではナビを使います。
しかし、毎回、「次はどこだ?」と運転しながらナビを確認しているわけではありません。
一度見た道や、何度も行く家なら、「次はこの角を曲がって、あの家」という具合に、頭の中に入っています。
配達が遅い人
一方で、遅い人は常にナビや地図を頼りにする傾向があります。
一軒配達するたびに、「次はどこだ?」と確認します。
そのたびに車を止めたり、スマートフォンやナビを確認したりするので、少しずつ時間が失われていきます。
もちろん、ナビを見ながらの運転は危険なので絶対に避けるべきです。
大切なのは、安全に確認できるタイミングで、次の数軒を頭に入れておくということです。
③ 配達ルートの考え方が違う
配達の早い人は、単純に住所順に配っているわけではありません。
「この家は今行くべきか?」という判断をしています。
例えば、何度も配達していて、「この時間帯は留守のことが多い」と分かっている家があります。
そのような場合、無理に今すぐ訪問せず、在宅している可能性が高い時間帯に回すという判断をすることがあります。
一方、遅い人は、「順番だから」と、在宅している可能性が低い家にもそのまま向かいます。
そして不在だった場合、不在票を書くための時間も発生します。
こうした小さな時間のロスが積み重なっていきます。
もちろん、配達日時指定などがある荷物は指定を守る必要があります。
また、配達先の状況や会社のルールに従うことも大前提です。
④ 荷物を探す時間が違う
宅配では、意外と大きな時間差が出るのが、「荷物を探す時間」です。
大量の荷物を積んだ車の中から、一つの荷物を探す。
これを毎日何十回、何百回と繰り返します。
ここで数秒ずつ差がつきます。
配達が早い人
早い人は、荷物を見るだけで、伝票の色荷物の大きさ荷物の形通販会社封筒なのか箱なのかよく扱う荷物の特徴などを把握しています。
そのため、「この荷物なら、あそこ」と、かなり早く見つけることができます。
さらに重要なのが、荷物を探すときに焦らないことです。
急いでいると、「どこだ!どこだ!」と荷物をひっくり返してしまい、逆に時間がかかることがあります。
配達の早い人は、急いでいても意外と冷静です。
⑤ 不在票を書く時間にも差が出る
不在票を書く作業も、一軒ごとに見るとほんの数十秒程度です。
しかし、これを一日に何十回も行えば、大きな時間になります。
配達の早い人は、訪問する前から、「この家は在宅している可能性が高いか?」を確認しています。
例えば、車があるかどうかなど、外から確認できる状況を見ます。
そして、明らかに不在の可能性が高い場合には、チャイムを鳴らす前に不在票を準備しておくなど、次の動作を先に準備しています。
不在と判断した場合でも、会社のルールや配達方法に従って適切に処理する必要があります。
ここで大切なのは、「一つの作業が終わってから次を考える」のではなく、「次に何をするかを先に考えておく」ということです。
⑥ 車から降りてからの動きが違う
配達の早いドライバーを見ていると、車から降りてからの動きにも違いがあります。
早い人は、無駄な動きがほとんどありません。
- 車を停める。
- 荷物を持つ。
- 降りる。
- 玄関へ向かう。
- 配達する。
- 戻る。
- 次の荷物を準備する。
この一連の動作が非常にスムーズです。
人によっては歩くより少し速いペースで移動することもあります。
ただし、ここは無理に走る必要はありません。
宅配では、転倒・荷物の落下・交通事故を起こさないことが最優先です。
「速く動く」よりも、「無駄な動きをしない」ことのほうが重要だと思います。
⑦ 早い人は「次」を考えている
ここまで紹介したことをまとめると、配達の早い人には共通点があります。
それは、常に次の行動を考えていることです。
例えば、今の家に向かいながら、「次は○○さん」「その次はあの通り」「この荷物はすぐ出せる場所にある」「あの家はこの時間なら不在の可能性が高い」など、頭の中では次のことを考えています。
一つの配達が終わってから、「さて、次はどこに行こう?」と考えるのではありません。
今の配達をしながら、次の配達の準備をしている。
これが大きな違いだと思います。
⑧ 「数秒」の積み重ねが大きな差になる
宅配の仕事では、一回の作業で数秒節約しても、それほど大きな意味はないように感じます。
しかし、1日に100個配達するとします。
1軒あたり10秒短縮できれば、100軒 × 10秒 = 1,000秒つまり、約16分になります。
1軒あたり20秒なら、約33分です。
このように、宅配では一つ一つの小さな時間短縮が積み重なります。
そして、その余った時間でさらに多くの配達を回ることができます。
だからこそ、配達の早いドライバーは、一つ一つの動作を少しずつ効率化しています。
配達が早い=雑、ではないここで誤解してほしくないのが、「早い人は仕事が雑」ということではありません。
確かに、荷物の積み方などは大雑把に見えることがあります。
しかし、それは、「どこまでやれば十分なのかを知っている」ということでもあります。
必要以上に時間をかけない。
でも、絶対にやらなければならないことはきちんとやる。
このバランスが大切です。
逆に、仕事が遅い人は、「丁寧にやること」と「時間をかけること」を混同している場合があります。
丁寧さは大切ですが、宅配の仕事では時間も重要な要素です。
まとめ|宅配の速さは「技術」と「経験」
宅配ドライバーの配達スピードは、単純に足が速いとか、仕事が雑だから決まるものではありません。
重要なのは、
- 荷物を必要以上に丁寧に整理しすぎない
- 出発前にある程度ルートを頭に入れる
- 次の配達を常に意識する
- 不在になりやすい家を把握する
- 荷物の特徴を覚える
- 荷物を探すときに焦らない
- 不在票など次の作業を先回りして準備する
- 無駄な動きを減らす
- 安全を最優先にする
ということです。
そして、こうしたことは一日で身につくものではありません。
何百回、何千回と同じ作業を繰り返しているうちに、「こうしたほうが早い」という自分なりのやり方が身についてきます。
私自身、宅配ドライバーを10年以上続けてきて感じるのは、宅配の仕事は、経験を積むほど「要領」が良くなっていく仕事だということです。
最初の頃は一軒一軒に時間がかかっていたのに、経験を積むと、地図を見る時間、荷物を探す時間、車から降りてからの動きなど、あらゆるところで少しずつ無駄がなくなっていきます。
そして、その数秒、数十秒の積み重ねが、最終的には一日の配達件数や仕事の終了時間に大きな差を生みます。
ただし、どれだけ効率を追求しても、事故や荷物の破損を起こしてしまっては意味がありません。
速さよりも安全。
そのうえで、できるだけ無駄をなくしていく。
それが、長く宅配ドライバーを続けるために大切なことだと私は思っています。
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