無休で働き続けると起こる弊害|宅配ドライバーが実体験から感じたこと

宅配ドライバー

私は宅配ドライバーとして働いてきた中で、過去に42~43日ほど連続で働いた経験があります。

今思えば、よくそんな働き方をしていたなと思います。

昔の日本では、「休まず働くことが美徳」というような考え方もあり、昭和前期・中期生まれの世代には、もっと長時間働いていた人もいるでしょう。

ただ、私が働いていたのは就職氷河期や不景気の時代。

休みなく働いたからといって、働けば働くほど生活が豊かになるような時代ではありませんでした。

それでも、繁忙期になると休みを削って働いていました。

休みがなくなると、まず生活が壊れていく

私の場合、通常は週1回程度の休みでした。

ところが7月や12月などの繁忙期になると、休みがほとんどなくなります。

休みがなくなると、単純に疲れるだけではありません。

  • 友人と遊べない
  • 趣味ができない
  • 歯医者や病院に行けない
  • 役所などの手続きができない
  • 家のことができない
  • 家族との時間がなくなる

このように、仕事以外の生活が少しずつできなくなっていきます。

若かった私でも、かなりストレスが溜まりました。

宅配ドライバーにとって「疲労」は事故につながる

特に怖かったのが、仕事中の判断力の低下です。

疲労が溜まってくると、明らかに頭がぼんやりしてきます。

私自身、こんなことがありました。

配達先の家を何度も通り過ぎる。

壁や縁石に車を擦る。

タイヤをパンクさせる。

「このタイミングなら行ける」と思って車線に出たら、後続車からクラクションを鳴らされる。

「ここなら行ける」と進んだら、実際には行けず、泥濘にはまってしまう。

普段なら慎重に判断するようなことでも、疲労が蓄積すると判断が雑になっていきます。

宅配ドライバーは一日中車を運転する仕事です。

だからこそ、疲労による判断力の低下は、自分だけの問題ではありません。

事故につながる可能性もあります。

感情的になりやすくなる

疲れてくると、精神的にも余裕がなくなります。

普段なら何とも思わないようなことでもイライラする。

すぐに感情的になる。

口喧嘩をしてしまう。

細かい事務作業も面倒になり、記載ミスやいい加減な処理が増える。

仕事の質も明らかに落ちていきました。

「疲れているだけだから」と思っていても、実際には判断力や集中力まで落ちているのです。

やっと休みになっても、すぐには回復しない

そして、長期間働き続けた後にようやく休みが取れても、元気になるわけではありません。

私の場合、丸一日休みになっても、

寝る

起きる

また寝る

という状態になっていました。

ほぼ一日中寝たきりのような生活です。

何かをしようという意欲も湧きません。

「役所の手続きをしなければ」

「家のことをやらなければ」

と思っていても、

「次の休みにやればいいか」

となり、そのまま何もできない。

自分でも「まるでうつ病になったような生活だな」と感じるほどでした。

※これはあくまで私自身が感じた状態についての表現で、医学的にうつ病だったという意味ではありません。

疲労は一日休んだだけでは消えない

長期間休みなく働いたときに怖いのは、一日休んだからといって、それまでの疲労が全部なくなるわけではないことです。

私自身の感覚では、1か月ほど無休で働いた後は、通常の「週1回休み」の生活に戻っても、3か月くらい疲労感が残ることがありました。

その間は、

  • フラフラする
  • ミスが増える
  • 車を傷つける
  • 集中できない
  • やる気が出ない

といった状態が続きます。

そして、ようやく少し回復してきたと思った頃には、次の繁忙期がやってきます。

これでは疲労を完全にリセットすることができません。

今は「無休で働く生活」には戻りたくない

今の私は、もう二度とあのような働き方はしたくありません。

仕事を頑張ること自体は悪いことではありません。

しかし、休むことも仕事を長く続けるためには必要なことだと思っています。

改善基準告示によって、私の場合は月4回程度だった休日が月6回程度に増え、繁忙期でも最低週1回は休めるようになりました。

たった数日の違いに思えるかもしれません。

しかし、実際に休みが増えてみると、身も心もかなり回復しました。

仕事を続けるためにも、生活を維持するためにも、そして安全に運転するためにも、休むことは決して「怠けること」ではありません。

無理をして働き続けるより、きちんと休んで長く働ける状態を維持する。

長年宅配ドライバーを続けてきた私が、今になって強く感じていることです。

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