これは5~6年前の話です。
お歳暮の繁忙期が終わり、身も心もヘトヘトになっていた正月の配達中のこと。
途中で倒れてしまうんじゃないかと思うくらい疲れていた私は、夕方になる少し前、新しくできた道を車で走っていました。
すると、道の途中に一人のおばあちゃんが立っていました。
「何をしているんだろう?」
そう思いながら通り過ぎようとすると、突然声をかけられました。
「すみませんが、この道はいったい何処に繋がっているのでしょうか?」
私は、
「この道は田んぼ道に繋がっていますよ」
と教えてあげました。
すると、おばあちゃんは、
「はあ、昔はこんな道なかったんだけどねぇ」
と、何やら考え込んでいました。
私はまだ配達が残っていたので、そのまま別れました。
この時は、特に何とも思いませんでした。
翌年の正月、また同じ場所に!
そして翌年の正月。
また同じ道を、同じくらいの時間帯に通りかかると……
あのおばあちゃんが、また立っているではありませんか!
「あれ?なんか去年も同じことがあったような……」
そう思いながら通り過ぎようとすると、また声をかけられました。
「すみませんが、この道はいったい何処に繋がっているのでしょうか?」
……ん?
去年も同じ質問をされたような気がする。
しかし、お歳暮の繁忙期で疲れ切っていたこともあり、記憶がはっきりしません。
「夢だったのか?それともデジャ・ビュ?」
そんなことを考えながら、去年と同じように道を説明して別れました。
まさかの3年連続!
そして、さらに翌年の正月。
また同じ道、同じくらいの時間帯に、あのおばあちゃんが立っていたのです!
さすがに私は、自分の正気を疑いました。
「もしかして、私はまだ年を越せていないのか?」
「同じ年を繰り返している?」
「まさか、タイムリープしているのか!?」
そんなことまで考えてしまいました。
恐る恐る、おばあちゃんの横を通り過ぎようとすると……
「すみませんが、この道はいったい何処に繋がっているのでしょうか?」
また同じだ!!
さすがに気になったので、私は思い切って聞いてみました。
「おばあちゃん、確か去年も一昨年も、同じことを聞いていませんでした?」
すると、おばあちゃんは、
「はて?そんなことありましたかねぇ?」
と返してきました。
……マジか。
私はまた道を説明して、おばあちゃんと別れました。
数年後、まさかの再登場!
これで話は終わりかと思いきや、そうではありませんでした。
それから2~3年ほどたった正月。
しばらくその道を通っていなかったのですが、久しぶりに通りかかると……
なんと、またあのおばあちゃんが立っていたのです!
これには本当にビックリしました。
ただ、その時はおばあちゃんが立っている道を通らなかったので、見かけただけに終わりました。
それでも、あの場所におばあちゃんが立っていた光景は、今でも印象に残っています。
あのおばあちゃんは何だったのか?
今考えても、不思議な出来事です。
単に毎年、同じ時期に同じ道が気になっていただけなのかもしれません。
もしかしたら、私の方が疲れすぎていて、記憶が混乱していた可能性もあります。
真相は分かりません。
しかし、3年連続で同じ道、同じ時間帯に現れ、まったく同じ質問をされたら、誰だって不思議に思うのではないでしょうか。
お歳暮の繁忙期を乗り越えた正月に、まさかこんな不思議な体験をするとは思いませんでした。
怖いような、面白いような、今でも忘れられない宅配ドライバーの小ネタです。
あのおばあちゃん、今年もあの道に立っているのでしょうか……?


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