これは2年くらい前、12月の繁忙期の話です。
時間は夜の19時近く。
その日はとても忙しく、私は配達中で車を走らせていました。
すると、薄暗い道の街灯の影から、突然少女が出てきて私の車を呼び止めました。
最初は無視しようと思った
正直、その日は忙しかったので、
「何だろう?」
と思いました。
知らない人から突然声をかけられると、何か面倒なことに巻き込まれるのではないか、と考えてしまいます。
最初は、そのまま行ってしまおうかとも思いました。
しかし、少女の様子から何か切実なものを感じたので、車を停めて話を聞くことにしました。
すると、かなり困った状況でした。
携帯電話を忘れてしまった少女
話を聞くと、車の教習の合宿から高速バスで帰ってきたところだったそうです。
ところが、バスの中で寝過ごしてしまい、慌てて途中で降りたため、携帯電話をバスの中に忘れてしまったとのこと。
しかも、自分が今どこにいるのかも分からない。
自宅は、この町から3つほど隣の町だったそうで、土地勘もありません。
そして、
「親に連絡したいので、携帯電話を貸してもらえませんか?」
とのことでした。
もう19時を回っていましたし、かなり困っている様子でした。
そこで私は、携帯電話を貸してあげることにしました。
その間に2軒だけ配達
私も時間指定の荷物をたくさん抱えていたので、少女が電話をしている間に、近くの2軒だけ配達を済ませました。
そして、また少女のところへ戻りました。
少し話をした後、近くにコンビニがあることを教えて、
「そこで親御さんの迎えを待ったらいいと思うよ」
と伝え、そこで別れました。
無事に親御さんと連絡が取れたようで、私も安心しました。
助けてあげて良かった
その日の配達は、幸い時間指定なども問題なく終えることができました。
忙しい中での出来事でしたが、後から考えると、
無視しないで助けてあげて良かったな
と思います。
知らない土地で携帯電話もなく、夜になってしまったら、本当に心細かったと思います。
困った時はお互い様です。
何年も宅配ドライバーをやっていると、配達先だけでなく、こうした思いがけない出来事にも遭遇します。
これも宅配ドライバーを長くやっているからこそ経験できた、忘れられない出来事の一つです。


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