宅配ドライバーの繁忙期は地獄?現役ドライバーが語るリアルな実態

宅配ドライバー

宅配ドライバーには、1年の中でも特に忙しくなる時期があります。

それが「繁忙期」です。

お中元の時期やお歳暮の時期になると、普段とは比べものにならないほど荷物が増えます。

新人ドライバーなら、「普段の倍近い荷物を、いったいどうやって配るんだ?」とビックリすると思います。

私の配達エリアは地方ですが、それでも、閑散期:80~120個程度なのに対して、繁忙期:120~300個以上になることがあります。

もちろん300個以上を1人で配るのは現実的ではありません。

持ち切れない分は、フォローの人員に荷物を渡して対応します。

今回は、10年以上宅配ドライバーを経験してきた私が、繁忙期の物量や1日の流れ、荷物の積み込み、収入、身体的・精神的な疲労、繁忙期あるあるまで、リアルな実態を紹介します。

宅配ドライバーの繁忙期は普段の倍近く荷物が増える

繁忙期になると、まず驚くのが荷物の量です。

私のエリアでは、

時期1日の物量
閑散期
繁忙期
80〜120個程度
120〜300個以上

になることもというくらい差があります。

300個を超えることもありますが、さすがに地方の配達エリアで1人で全部配るのは難しいです。

そこでフォローの人員に持ち切れない分を渡します。

ただし、ここにも難しいところがあります。

荷物を持ち過ぎても、持たな過ぎてもダメ

繁忙期は、「自分が何個までなら配れるのか」を判断することが非常に重要です。

自分の力量を把握していない新人ドライバーが、物量に圧倒されて、「とにかく全部持って行こう!」とすると、途中で完全に潰れてしまうことがあります。

逆に、「こんなに無理だから、全部フォローに渡そう」としてしまうと、今度は自分の配達個数が減って、収入も減ってしまいます

つまり、自分の力量と、その日の物量を見ながら、どこまで自分で持つかを判断する。

これも繁忙期を乗り切るための重要な技術です。

繁忙期は1時間早く出勤する

繁忙期になると、私は普段よりかなり早く出勤します。

だいたい、6:30~7:00頃です。

普段より1時間程度早く出ます。

なぜなら、そうしないと詰むからです

荷物が増えれば、それだけ積み込みにも時間がかかります。

しかも、適当に荷物を積めばいいわけではありません。

その日の配達をどうやって終わらせるかを考えながら積み込む必要があります。

繁忙期は、配達に出る前からすでに戦いが始まっています。

繁忙期のピークは3回ある

私の経験では、繁忙期はずっと同じ物量が続くわけではありません。

大きく分けると、3回のピークがあります。

第1のピークは繁忙期初日

7月のお中元、12月のお歳暮などでは、繁忙期が始まる初日が最初の大きなピークになります。

この日は、「今日から始まるぞ」と覚悟を決めておいた方がいいです。

初日を過ぎると、物量は徐々に落ち着いていきます。

第2のピークは中旬

初日のピークを乗り切ったと思ったら、今度は中旬頃に第2のピークが来ます。

ここでも一気に物量が増えます。

ただし、ピークを過ぎれば、また徐々に減っていきます。

第3のピークは下旬

そして最後に待っているのが、下旬の第3のピーク。

これを乗り切れば、ようやく繁忙期終了です。

つまり、第1ピーク → 一旦減少 → 第2ピーク → 一旦減少 → 第3ピーク → 終了という感じです。

個人的には、「最後の山を越えた!」という瞬間が一番嬉しいです。

お中元よりお歳暮の方が忙しい

私の経験では、7月のお中元より、12月のお歳暮の方が荷物が多いと感じます。

特にこの時期になると、普段の宅配ではなかなか経験しないような物量になります。

そして、この時期になって初めて、「車の天井まで荷物を積み上げる」という経験をする人もいるでしょう。

助手席まで荷物が埋まることもあります。

ただし、運転に必要な視界を確保することは当然です。

繁忙期は「積み込み」の真価が試される

繁忙期になると、積み込みの技術が非常に重要になります。

例えば200個近い荷物があったとしても、200個全部を車に積んで出発するわけではありません。

私の場合は、「ほぼ確実に配達完了できる」荷物を狙って積み込みます。

だいたい、120~150個程度です。

残りは午後の便、夜間の便として戻ってきたときに積みます。

これは長年やっていると、経験からある程度判断できるようになります。

「どの荷物を積むか」が重要

繁忙期は、単純に荷物を詰め込めばいいわけではありません。

重要なのは、「その時間帯に配達完了できる荷物を選ぶ」ことです。

午前中にほぼ配達完了しやすい荷物を中心に積み込み、「これを全部配ったら一度戻る」というイメージを作ります。

この判断がうまくできるようになると、繁忙期の仕事がかなり変わってきます。

逆に積み込みを間違えると、不在で残った荷物が邪魔をして「あの荷物どこだ?」と車内を探す時間が増えます。

繁忙期は1秒でも惜しいので、荷物を探している時間も積み重なると大きなロスになります。

繁忙期の1日の流れ

私の場合、繁忙期はだいたいこんな流れになります。

6:30~7:00早出して準備。

通常より約1時間早く出勤します。

7:50頃配達エリアへ出発。

私の場合は発着所から配達エリアまで約10分なので、7:50頃に出発するのがベストだと考えています。

午前中120~150個程度の荷物から、午前中にできるだけ多く配達します。

ここは本当に、死にものぐるいです。

13:00~13:30頃一度切り上げて発着所へ戻ります。

午後便を積み込み

午後は、40~60個程度を積み込みます。

14:00~14:30頃午後の配達へ出発。

17:00~18:00頃午後の配達を切り上げ、最終便を積み込みます。

最終便20~40個程度を積み込みます。

21:00頃すべての配達を終了。

これが私の繁忙期の基本的な流れです。

新人ドライバーは夜まで終わらないこともある

繁忙期に入ったばかりの新人ドライバーは、本当に大変です。

経験者なら、「この荷物は後回しにしても大丈夫」「このルートならこの順番」「今日はこのくらいまで持っていこう」という判断ができます。

しかし新人には、それがありません。

そのため、責任感から、23時や0時まで配達してくる新人もいました。

私自身も昔は、22:30頃まで配達していたことがあります。

今は「全部その日に終わらせる」ことにこだわらなくなった

昔は、「その日の荷物は、その日に全部配らなければいけない」という気持ちが強かったです。

しかし現在は、少し考え方が変わりました。

日にち指定の荷物など、その日に配る必要がある荷物はできるだけ終わらせる。

一方で、営業時間までにどうしても配達できない荷物は、無理をして深夜まで走るのではなく、翌日に回す。

もちろん、会社や荷主のルールに従う必要があります。

ですが、自分が壊れてしまうまで仕事をする必要はありません。

昔は繁忙期に一ヶ月休みなしだった

昔の私は、繁忙期になると、一ヶ月間ほとんど休みなしで働いていたこともあります。

「繁忙期は休み無しで働く!」そういう風潮がありました。

しかし、無理を続けると事故につながります

繁忙期には事故を起こすドライバーも増え、働き方についても以前より安全面が重視されるようになりました。

現在の私は、繁忙期でも、最低でも週に1回は休むようにしています。

繁忙期こそ、「休むことも仕事のうち」だと思っています

繁忙期は本当に稼げる?

繁忙期になると、当然ながら配達個数が増えます。

さらに最近では、物価やガソリン価格などの上昇に伴って、私の仕事では1個あたりの歩合も少しずつ上がってきています。

そのため、繁忙期なら月収70万円も射程に入ってきます。

ただし、「70万円稼げる=楽に稼げる」という意味ではありません

むしろ、その1ヶ月は本当にキツいです

大量の荷物を毎日配り続けることになるので、収入が増える分、仕事量も大幅に増えます。

繁忙期が終わる頃には「戦場から帰ってきた兵隊」のよう

これは繁忙期を経験した人なら分かってもらえると思います。

繁忙期が終わる頃には、「戦場から帰ってきた兵隊みたいだ」という気分になります。

まさに、「命からがら生還してきました」という感じです。

それくらい、一ヶ月間ずっと緊張状態で仕事をしています。

体力だけではなく精神的にも疲れる

繁忙期の辛さは、単純な肉体疲労だけではありません。

むしろ私は、精神的な疲労もかなり大きいと思っています。

常に、

  • 時間指定
  • 今日配る荷物の量
  • 配達ルート
  • 荷物の場所
  • 誤配達をしないこと
  • 再配達
  • 時間短縮

などを頭の中で考えています。

そして、1秒でも時間を切り詰めながら、1日に200個前後の荷物を配る。

これを毎日続けていると、自分では気付かないうちに大きなストレスを溜め込んでいきます

朝起きるのが辛くなることもある

疲労やストレスが溜まってくると、「朝起きるのが嫌だ」という状態になってきます。

体を動かすことすら嫌になって、立ち上がるのが億劫になる。

家に帰ったら、そのまま夕飯も食べずにソファで寝てしまう。

そんなことも珍しくありませんでした。

繁忙期は、「疲れているけど、明日もまた大量の荷物を配らなければならない」という状況が続きます。

だからこそ、自分の体調には注意しておく必要があります。

無理をしすぎたらフォローを頼ろう

繁忙期には、フォローしてくれる人員がいる場合もあります。

もちろん、自分で配れるだけ配れば収入は増えます。

しかし、自分が壊れてしまったら意味がありません。

「今日は無理だ」と思ったら、フォローしてもらうことも大切です。

繁忙期を乗り越えるためには、「全部自分でやる」ではなく「どこから人に任せるか」という判断も必要になります。

繁忙期は車もかなり消耗する

繁忙期はドライバーだけではなく、車も酷使されます。

普段より走行距離が増え、

  • エンジン
  • タイヤ
  • ブレーキ
  • オイル
  • バッテリー
  • 冷却系統

などにも負担がかかります。

特に私は、繁忙期が始まる前と終わった後には、ラジエーター液(冷却水)をチェックするようにしています。

冷却水が不足している状態で走り続けると、オーバーヒートにつながる可能性があります。

繁忙期は車が仕事の生命線になるので、出発前の簡単な点検も大切です。

※冷却水の量が減っている場合は、単純な補充だけで済ませず、漏れなどの異常がないか確認することも重要です。

繁忙期あるある

ここからは、繁忙期を経験した宅配ドライバーなら分かる「あるある」です。

お中元・お歳暮の荷物が見つからない

お中元やお歳暮の荷物は、包装が似たものが多くなります。

車の中に大量に積んであると、「この荷物どこだ……?」となります。

荷物を探しているだけで時間が過ぎていきます

助手席まで荷物を積む

荷物が多すぎると、荷室だけでは足りません。

助手席まで荷物が進出してきます。

もちろん、運転に必要な視界を妨げないことが大前提です。

トイレに行けない

これはかなり深刻です。

配達個数が多く、時間指定もあると、「トイレに行っている時間がない」という状態になります。

だからといって我慢しすぎるのも良くありません。

繁忙期こそ、休憩やトイレの時間もある程度計算に入れておく必要があります。

昼飯がおにぎりになる

発着所へ戻る途中などに、おにぎりやパンなど簡単に食べられるものを食べることもあります。

ただし、運転中に食事をするのは危険なので、安全な場所に停車して食べることが大切です。

「昼食をゆっくり食べる」という余裕がなくなるのも繁忙期あるあるです。

夜間の便を見て絶望する

一日中配達して、「もう十分配っただろ……」と思って発着所に戻る。

そして最終便を見る。

「まだこんなにあるの……?」となります。

これも繁忙期あるあるです(笑)。

夢の中でも配達している

これも本当にあります。

一日中配達のことを考えているので、夢の中でも配達している。

朝起きて、「昨日の夜まで配達してた気がする……」となる。

繁忙期を経験したドライバーなら、一度くらい経験するかもしれません。

それでも一日の配達を終えたときの達成感は凄い

繁忙期は本当に辛いです。

しかし、最後の荷物を配り終えた瞬間の達成感は凄いです。

200個近い荷物を一日かけて全部配り終え、車の中を見ると荷物がない。

そこで、「終わった……」となります。

あの瞬間は、通常期では味わえない達成感があります。

繁忙期を乗り越えると宅配ドライバーとして一段成長する

新人ドライバーにとって、最初の繁忙期は本当に大変だと思います。

普段80~120個程度だった荷物が突然200個、300個近くになる。

「こんなのどうやって配るんだ?」と思うでしょう。

でも、一度この繁忙期を経験すると、配達のやり方が変わります。

  • 荷物の積み方。
  • 配達する順番。
  • 時間の使い方。
  • フォローを頼むタイミング。
  • 自分が一日に配れる個数。

こういったことが少しずつ分かってきます。

そして、「自分はこれくらいなら捌ける」という自分の力量も分かるようになります。

だから私は、繁忙期を乗り越えると、宅配ドライバーとしての格が一段上がると思っています。

最初の繁忙期は、とにかく無理をしすぎないこと。

分からないことがあれば経験者に聞き、フォローしてもらえるときは頼る。

そして、事故だけは絶対に起こさない。

それを意識して、一つずつ荷物を配っていきましょう。

まとめ|繁忙期はキツい。でも乗り越えれば大きな経験になる

宅配ドライバーの繁忙期は、普段とは別世界です。

私のエリアでも、閑散期80~120個程度 → 繁忙期120~300個以上になることがあります。

朝も早く出勤し、荷物を選んで積み込み、時間指定を意識しながら一日中配達。

体力も使いますが、それ以上に精神的な疲労も大きくなります。

それでも、繁忙期を経験すると、「自分はどこまで配れるのか」という力量が分かるようになります

そして、積み込みやルートの組み立て、時間の使い方も上達します。

何より、すべての荷物を配り終えたときの達成感は格別です。

ただし、「稼ぎたいから」と無理をしすぎるのは禁物です。

事故を起こしてしまえば、それまでの努力がすべて無駄になってしまいます。

フォローしてくれる人がいるなら、必要なときは頼りましょう。

そして、しっかり休みながら繁忙期を乗り越えてください。

繁忙期を乗り越えた頃には、きっと宅配ドライバーとして一段成長しているはずです

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